車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 5月23日 (金) - 320日目

天気 :

体調 : 良好

宿泊地 : 巻機神社(登山口)

本日の移動 : 浦河原村~松代町~十日町市~六日町~塩沢町

走行距離 : 70.5km

累計距離 : 13,772km
本日の出費

食費 : 1090円

観光費 : 0円

宿泊費 : 0円

雑費 : 1000円

費用詳細 : 雑費:自販機に取り込まれる(T_T)

現在地 : 新潟県塩沢町  ( 全走行図 )

「ふざけんなぁ!こらぁ!」

 山あり谷あり、そんな道をひたすら越えた。走行距離は70kmほどと、しれた距離だが、その距離以上に疲労困憊の久しぶりの過酷な走行であった。峠は3つほど、でも、その数以上にアップダウンが多く苦しめられ、さらには最後、登山口までの上り、もうヘトヘトであったが、そんな苦労と、この日記の題名とは関わりがない。自分で選んだ道だ。そんなので怒っていたら切りがない。逆に険しく苦労が多いからこそ楽しいとも言える。やっぱり苦労しているときは「なんでこんなことしてるんだろう?」ともうイヤにもなるが、でも終えれば一変、辛い思い出ほど楽しくいい思い出に変わるのが不思議である。

 今朝は6時に起床。郊外の山岳部でさらには国道から離れた丘の上。誰も訪れることもなく寂しくもあるが、静かで快適な朝を迎えた。だが、軒下がなかったために結露がひどくテントはビッショリ!乾かしながら朝食をとり、そしてHPの更新作業。今日もセカセカと行なったつもりであるが、でもやや出発は遅れてしまい9時半となってしまった。

 253号、六日町までの数々の峠越え、今、地図を眺めながら驚いたことがひとつある。ほぼ併走して北越急行という列車が走っているのだが、実はこの線路について同じようなルートを走りながら、その路線の存在についてほとんど気付かなかったことだ。その理由は簡単、路線はずっとトンネルの中だからだ。「えっ!」っと思うほどトンネルしかないと言っていい。そんな山間部を国道は縫うように走るわけでアップダウンが多いのはうなずける。まず最初の峠は松代までの道。出発早々のいきなりののぼりで、最初からペース作れずちょっとバテ気味でスタート。そんなんだから休憩が自然、多くなり1時間半ほど走って大休止。なんてったてずっと上りだ。休憩もしたくなる。30分ほど休憩して再度、上りだし、そしてじきに峠を越えてそれほど下ることもなく松代市街へと入った。

 ここは城下町だけに興味もあったが、ややお疲れ気味のせいかあまり観光する気が起こらない。、いや、お疲れ気味というよりも、まだまだ峠が続く為、体力そして時間を残しておきたいそんな理由だろう。 またお城公園が山の上という地形的理由もあった。そんなことからただ休憩したくて道の駅でのんびり過ごす。そしてそこの定食店で久しぶりの外食♪平凡でお買い得なカレーではあったが、それでも、ちょっと贅沢な食事で栄養をつけて、また次の峠へと漕ぎ始めた。ちなみに今日はここでやっと携帯が確実に圏内になり昨日分のHPの更新をすることができた。

 お次は十日町までの道程。ここは峠という坂道というよりも小刻みなアップダウンと、そして長い長い幾つも連なるトンネルが印象的で、そしてもちろんそれらに苦しめられた。車道を走ればトラックに追い立てられ、時には凄い風圧と共にスレスレで抜けていく。さすがに参って、自転車1台幅の狭い歩道を走る。が、あまりの狭さにバックを汚れたトンネル壁に何度も擦り付け、ハンドルは盗られる。また、時には荒れた路面に苦しめられる。こうした気の休まることない連続したアップダウンのあるトンネルを苦しめられながらも抜け、そして最後は「これでもか!」というほど坂を下ってようやく十日町市街へと入った。

 そこでまず出迎えてくれたのが巨大な川、”信濃川”。河口からだいぶ離れているのに、これだけの川の規模を未だ保っていることに驚き、そして、逆に登山へと向っているはずなのに、未だそれほど標高を稼いでいないことを、その大河から実感させられ落胆の思いであった。そんな川を越えると休む間のなくこんどは六日町までの峠越えの坂が始まる。「難ルートを選んでしまった・・・!」と後悔しながらも、また新たな坂に挑んでいった。ちなみにこの十日町、ほんとならここでのんびりと博物館でも入ろうかな?そう思っていたのだが、先ほどの松代でも書いたような理由から、自転車をとめる気になれずにそのまま通過、一気に六日町までペースを保持して出ようと突き進んでいった。

 ここから先が一番大変であった。いや、大変というよりも予想外の標高差で、舐めてかかっただけにその苦労は倍増してしまった。登れど登れど坂は続き、さらには工事中、片側走行にも苦しめられる。登りだけに時間が掛かってしまい、作業員を困らせ、そして渋滞を引き起こす。なんとも木の休まることない、精神的に辛いのぼりでもあった。さすがにこの頃になると、もう完全にバテ気味。朝からの強い日差しにも同様にまいっていた。汗は滝のように流れ落ちる。あまりの発汗か、それとも直射日光か、疲労なのか、頭までボーッとしてくる始末であった。それでも、ひっこらひっこらと、休むことなく上り続けて、そして念願の峠のトンネルへ!ここでも恐怖を感じたものの、峠を上りきったという嬉しさから気持ちよく抜ける。そしてトンネルを抜けると、目指す尾瀬周辺の山々が姿を現した。まず前面に「ドッカーン」と聳えていたのが明日登る予定の”巻機山”、そして左肩には 八海山の山々、どれもこれも雪をかぶり、その標高の高さが窺え、この先の登山の期待と、そして不安、同時に込み上げ、複雑な心境にもさせられた。ただ、その展望を眺め、ショックのあまり呆然としてしまったことがひとつ。それは眼下に広がる六日町の町並みがあまりに眼下にあったことだ。標高0m以下まで下っているのではないか?!そう思いたくなるほどの標高差で、また改めて登っていかなければ行けないと思うと、なんだか辛くそして繰り返す登りに複雑な思いを抱きながら六日町市街へと下っていった。

優雅に流れる信濃川
峠越え・・・
つらい!暑い!
もう必死です

 さすがにもうヘトヘト、そして喉はカラカラ・・・ 自分への頑張りへのご褒美に、そして最後の登山口までの上りに備えて元気をつけようと、最初に見つけたダイドー自販機でちょっと豪華にジュースを購入♪小銭がなかったので1000円札を挿入、嬉しいことに格安な110円自販機で、頭を使ってさらに10円追加し、さてなににしよう♪そんな時、「ちゃりん・・・」、と10円玉が帰ってきた。さらには入れた1000円が認識していない。「えっ!」自体がハークできない。返却レバーを押しても入れた1000円は帰ってくることもなく無言のままであった。もしかして・・・ 1000円が取り込まれてしまった・・・ 1円でも無駄にしたくない貴重なお金が・・・ さすがにダメージ大きくショックを受けるがここは冷静に対処、自販機に書かれている連絡先に電話、そう行きたいところだったが、なんと日に焼けてしまい全く文字が見えず・・・ さすがにこの時になると血圧が上がりだす。それでも、連絡しようと今度は電話ボックスを探しに、近くのジャスコへと入るがどこも電話帳がなく連絡先が分からないではないか!さらに考え、じゃあ缶に書いてある”お客様サービスセンター”へと思ったが、売り場を探してもダイドー製品はどこにも置いていない・・・ この時には血圧は上がりに上がっていた。万事休すか?!仕方なく元に自販機へと戻る。変わらぬ平然と構える自販機。どこからどうみても当たり前だが騙しとったくせに悪意を感じていない様子である。無言なそんな姿にさらに血が上り、「ふざけるなぁ!こらぁ!」と声を張り上げたい気分だ!さらには一度懲らしめてやりたくもなり、無事な姿でこいつを帰らせたくない!蹴飛ばして凹ますか、さらとも殴って壊してやるか!そんな思いが込み上げるが、所詮は自販機。何をやっても無駄であり、反省するような品物でもない。そんなやつを横目に、自分は仕方なくゴミ箱あさり・・・ 「なんでこんなことやってるんだろう・・・ それも屈辱のこやつの前で、更なる屈辱だ!」そんなことを思いながらやっと見つけたダイドーの空き缶、そこに書かれている連絡先でようやくこのことを告げることが出来た。そんな電話先では、不機嫌な私でも、手馴れた対応で冷静に対応してくれ、話していると熱くなっている自分が浮いてきてしまい、終いにはこちらも「それでよろしくお願いします。」と言った感じで合わせて頭を下げてしまっていた。素直に言葉の魔術にはまってしまっていた。ちなみに、確認後、また連絡しますとのことだった。

 まだムシャクシャした気分を残したまま今日最後の登山口までの登りへと入っていった。この怒りを力に変えて最初は活きよいよく漕ぎ、登りだしたのだが、やっぱり最後はバテバテ・・・ まだか・・・ 登山口はまだか・・・ もうぼやきながらも、17時ごろなんとか到着することが出来た。そこで地元の方と温かい世間話を交わし、気分は一気に穏やかに♪さらには先ほどの自販機も、最初は怒れて仕方がなかったが、もう今振り返ると、不思議とそれが親しみに変わってた。喧嘩するほど仲がいいともいうが、こんなところにも当てはまるとは・・・ 相反する物とはいえ紙一重だ。ちなみにこの自転車の旅にも同じことが言える。苦労があるから楽しいのだ。苦労、苦痛が不思議と楽しさに変わっている。なんでも一緒だ!そんなこと考え、その面白さにひとり笑みを浮かべながら、登山口である巻機神社にテントを設営し、明日の出発の備えていた。

 ちなみに夕方、ダイドーから連絡が入り、自宅へ送金いたします、とのことだった。

眼下に六日町、
そして正面・巻機山
今夜の寝床は巻機神社
寝床から明日登る
巻機山を見上げる

 ★今日のお食事♪
 ・朝食 : ごはん&レトルトマーボー豆腐
 ・昼食 : 大盛りカレーライス・パン
 ・夕食 : ラーメン・菓子




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