車輪人の自転車日本一周・登山の旅 車輪人の自転車日本一周・登山の旅

2003年 3月14日 (金) - 250日目

天気 : 晴のち曇

体調 : 良好

宿泊地 : 阿蘇ライダーハウス

本日の移動 : 祖母山登山~波野町~阿蘇町

走行距離 : 59.4km

累計距離 : 10,210km
本日の出費

食費 : 750円

観光費 : 0円

宿泊費 : 900円

雑費 : 0円

費用詳細 : 宿泊費:阿蘇ライダーハウス

現在地 : 熊本県阿蘇町  ( 全走行図 )

雪の芸術

さあ、祖母登山スタート
 標高1000mを越えるこの祖母登山口での野宿、朝はかなり冷え込むだろうと思っていたのだが、意外にこれが暖かい。風が全くないからだろうか、それとも、冷え込むだろうと心構えていたせいだろうか・・・ でも、気温はちゃんと氷点下を示していた。そんな朝は5時半に起床、まだ真っ暗な誰もいないこの山中で、ヘッドライトの明かりを頼りに自炊をする。さすがに登山するとあって、朝からお米をしっかり食べて、そしてテント撤収~登山準備とすませ、7時20分いよいよ登山に出発だ!久しぶりなだけにワクワクする。それも山頂付近には雪もあるというし、それがまた楽しみでもある。はたしてどんな登山になるだろうか。

 今回、五ヶ所高原から登る北谷を登山口に選んだのだが、でも、そこから登る一般的な表登山道からではなく、風穴を通る直登コースを選んだ。帰路を表登山道にしたのだが、これが大正解。ほんと思い出に残る楽しい登山にすることができ、また祖母の新しい魅力を見ることが出来た。
風穴・不気味な入り口
 登り始めて、すぐに登山道脇に雪が目立ち始め、また至る所に数cmに成長した霜がおり、一足一足進むことにザクザクと音を立てた。ややマイナー登山道ということで、やや道に不安はあったものの道は鮮明で分かりやすく、沢を越えたり、時にはロープもあったりと、ちょっと面白どころもあり、 順調に標高を稼いで行いった。そして8時に、このルートの最大の見所”風穴”へと到着した。入り口は岩場の隙間に小さな口を開けていた。中には年中融けることがないという氷があるということで、さっそくヘッドライトを灯して散策、っと思ったのだが、いきなり入り口からツララの嵐で、さらにその先は急な下りで、その道は全て10cm以上もあると思われる、分厚い氷で覆われて普通では通行不能であった。そのため、アイゼン(靴につける爪)を装着し、再度散策へ向かった。中は思っていたよりも深くなくすぐに行きつき、そしてそこにも巨大な氷壁と氷柱が待っていた。洞窟が浅いのはちょっと期待はずれではあったが、でも、その氷結は見応え充分だった。

中は物凄いツララ
中もツララが・・・
洞窟内散策中~
竹のトンネル
 こうして風穴を約30分ほど見学して8時半に再出発。この先からは急に崖を登るようなきつき急登となるのだが、それがまた面白いこと!まるでアスレチックで遊んでいるかのように、ワクワクしながら辛さを忘れ楽しく登って行くことが出来た。ただ、この崖を登りきると、またなだらかな登りとかわり、景色は一変、背丈以上の笹藪が生い茂り、数百メートルのトンネル道。これが最初は楽しいのだが、後半はずっと中腰であるくために大変なのだ。でも、今となってはそれも楽しい登山の思い出の一つだ。

 そんな竹薮を越えると、また急な崖へと変わる。ここらあたりから、積雪も激しくなり、また、驚くほど巨大な氷柱が岩場に幾つもあり、それらに見惚れるばかりだった。さすがにこの辺りからはとくに慎重に足を進めていく。でもこの緊張感がまた面白い。また、所々に展望も開け、久住の山々を望むことができ、辛さを忘れて楽しく、そして緊張の糸と切らすことなく慎重に、またドキドキワクワクしながら登って行った。

凍りつく登山道
美しい氷結
巨大な氷柱

 そして9時20分、待望の山頂だ!懐かしい!!まず最初にそう思った。そう、以前に一度、車で旅をしているときに反対側の登山道から登ったことがあるのだ。でも、その時は霧雨の悪天候で、このような展望もなにもなく、ただ、悔しい思いだけを胸に下山した。そんな苦い思い出があったからこそ、今回のこの好展望が嬉しく、思い出と喜びを山頂で噛み締めていた。

 太陽の降りそそぐ風のないポカポカした陽気の中、山頂を10時まで満喫して下山へと向かった。先ほどにも書いたとおり、下山道は表登山道(九州自然歩道)を行くことにした。こちらはそれほど急な箇所もなく、ただひたすら緩やかな下りを行くようなコースで、これがのぼりならやや面白さにかける部分があるが、でも下りなら楽でスイスイ行くことができ、快適コース。展望もそれほど開けるところもなく、黙々と下っていき、そして11時20分、無事に北谷登山口へと下山した。

山頂より天狗岩方面
山頂より竹田方面
山頂で参拝

 久しぶりの登山であったが、大満足の内容で、そしてこの祖母が好きにもなった。荷物を整理して、美しい祖母山を振り返りながら、今日の宿泊地、阿蘇RHに向けて12時ごろ出発した。ちなみに阿蘇町までまっすく向かっていく道がなく、そのため、どのルートをとって行こうか迷いに迷った。そして地図の等高線を何度も確認して、無難な県道41号を選んだ。それでも、アップダウンは激しく、何度も苦しめられたが、でもこの晴天と、そして久しぶりの登頂の喜びから、鼻歌を歌いながら気持ちよく越えていき、そのため、道の割には苦労は少なかった。何事もやっぱり気分の問題が大きい。

 長い長い県道を越えていく。山の中の道ではあったが、でも意外に民家が多く、そして辺りには林業が盛んなようで、植樹された木々が生え並び、それらの景色がほのぼのとしていて、そんな意味でも気持ちよく走ることが出来た。そして、そこを抜けると懐かしの国道57号線だ!九州を南下してくるときに通ってきた道で、同じように今回ここから阿蘇へと入る。その当時の心境とだぶり、とても懐かしく感じ、そして峠を越えて阿蘇の連山を望んだときは嬉しさ、懐かしさがピークで涙物の阿蘇であった。この阿蘇で、年末年始、長く過ごした土地でもあり、そしてたくさんの出会いも生まれた土地でもある。そんな思い出の土地なのだ。

登山口より振り返る
必死で阿蘇へ!
懐かしい阿蘇山

 懐かしいそんな阿蘇の地に15時過ぎに入った。前回、見逃してしまった阿蘇神宮を今回、参拝・観光して、懐かしのRH(ライダーハウス)のある、内牧温泉へと入った。この温泉街の中心地に店を構える「商(あきない)」にまず立ち寄った。空腹ということもあったが、RHの管理人でもある吉澤さんに早く会いたかった事もある。普段はここで働いているんだ。そんな吉澤さんと久しぶりの再会を喜び合い、そしてお互い積もり積もった話が盛りだくさんで、2時間以上も話しこんでしまった。この方も自分が尊敬している方の一人なのだ。

 話しこんでいるうちにすっかり日も暮れてしまい、この後、内牧温泉街のたくさんの外湯のひとつ、”宝湯”へと入浴して、旅の汗を流し、そして懐かしの阿蘇RHへと入った。ここでも自分を待っていてくれている方がいて、以前にHP上で知り合い、いつか会いたいですねっと話していた方だ。”小黒”さんで自分と同じくチャリダーでこの3月いっぱいをかけて、九州を周るそうだ。夜遅くには管理人の吉澤さんも加わり、遅くまで楽しく語り合った。就寝は翌日の午前1時過ぎとなってしまった。

阿蘇神社
阿蘇の内牧
宝湯のある料亭
今日の阿蘇RHにて
中・「吉澤さん」
右・「小黒さん」



自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・自転車・